2013年02月10日

禁じ手「犯人探し」は本当にNGなのか?

いわゆるコミュニケーションを大事にすることを重視するプロジェクトにおいては、また一般論としてのプロジェクトマネジメント論としては、例えばあるミスを犯したプロジェクトメンバーや上層部に関してこのようなことが言われることがありませんか?

「犯人が誰かであるかは重要ではない」

そう、犯人ではなく何が起きたのかを注視しようという観点に立って問題の本質を見極めようというのです。つまり、注意喚起メールは行われますが、犯人を探しているわけではないため、犯人が分かりません。誰が犯人かわからない状況ですので、送られるメールの内容は語弊の少ない、「で?」と言いたくなるような文言に落ち着きます。

「〜〜は気をつけましょう」等です。

きっと色々とあるのでしょうが、この考え方の根幹に在るのは「誰だってミスをする」というところでしょうか。

でも、だいたいの人は自分ではない、自分とは関係ないという意識の元、こういう注意喚起は他人事に思えてしまうものです。
それこそ、だれだってミスをするという観点でいるならば、他人事になるという観点でも発言をすべきでしょう。
ですが、そこまでには至らないことがおおいと思います。
よって、気をつけるよう言われても、具体的にどういう行動をすればいいのかは不明です。

少々話をずらしますが、
例えば、誤って間違った(自分が一時的にデバッグ用に他人が担当のソースコードを修正して、そのまま)ソースコードをサーバに保存して、そのまま忘れていたとします。
普通であれば、そもそもバージョン管理システムを使えばいいとか、ファイルサーバなんかに保存しなければいいというのがありますが、案外SIerで働く人間は知識も技術もなく、バージョン管理システムを使うというだけで拒否反応を示す人もいれば、理解がない、教えないといけないという状況が出てきてしまいます。

おかしな話ですが、そこはプロジェクトの方針として、サーバに保存するとして話を進めます。

ファイルサーバでは履歴も何もないため、誰が保存したのかもすぐに分かりません。
注意喚起のメールは、以下の様な感じのものが送られたりします。
「ファイルサーバにデバッグ用のコードが残ったものが保存されており、しかも古い状態で上書きされていました。今回は担当者が最新のソースを残していたため、元に復元することができました。次回からは自分が担当しているソースコード以外はサーバに保存しないでください。保存する際、自分のソースコードの選択が正しいか確認し、またコピーする前に差分比較を実施してください。」

そもそも論を展開すると、どんどん広がる内容です。

「人間はミスをするものだし、ミスをしない人は最初から当たり前のように確認しているだろうし、それでもミスをしてしまうのが人間だし、でもそのために履歴を保存できるようにしているだろうし、でもそれでも壊してしまうかもしれないし、壊れてしまうかもしれないし、そもそも人間だからミスをして。。。。。。。。」


話を元に戻します。

私は何かプロジェクト上で問題があった場合は、「なぜそうなったのか」と同時に「誰がやってしまったのか」を調べるべきです。つまり犯人です。
ただ、それは犯人を吊るしあげたり公表したりすることが目的ではありません。

犯人がヒアリングしなければわからないケースでは、プロジェクトリーダー(できれば2名以上で)はメンバーを1名ずつ別室へ呼び、「今回こういうことがあった。このソースに関係しそうなのはあなただけど、やってしまった記憶はありますか?」というところから犯人を探し出します。別室へ呼ばれることに対して恐怖心がある方もいるので、そこは口頭・メールなどを使い分ける必要があります。

犯人であれば「そうですか。ミスは誰でもするものです。ですが、他の人も同様のことがあるかもしれません。ミスを減らすために対策を考えたいのでご協力いただきたい。今回どういう経緯で事態が起きたか聞きたい」と事態を確認すべきです。その上で、個人の背景を聞いて、対策や事態の周知をするのかどうかを判断すべきです。

犯人でなければ調度良いので「今、プロジェクトでは急ぎでやっていることもあって問題が多い。この場を借りて、何か問題が出ていないか、気付いたことが些細な事でもあれば教えて欲しい。それが後々大問題になってしまう問題かもしれないし、そうでないことかもしれない。ですが、メンバーの気づきを大事にしたい」と情報を引き出します。

それをやってしまったのが、人によって背景が異なる点も重要でしょう。
普段はしっかりしている人が犯人で「たまたま頭がその日痛くて注意力不足だった」のであれば、実は注意しましょうでは解決せず、体調不良だったら休みましょうの方が適切ではないでしょうか。
一方でBさんが犯人で技術不足であれば、教育が必要かもしれません。
Cさんが犯人で正確的な問題でルーズな人であれば最初の注意喚起は効果があるかもしれません。

でも、犯人が誰か特定されておらず、汎用的なメールでは、そもそも自分のこととは思いませんし、自分の行動が悪い行動とは気づかないことも多く、また何度でも同じ事を繰り返します。
つまり、注意喚起は根本的な解決にならず、問題の再発を引き起こしやすいのです。

ただし、犯人が分かったからといって、「あの人が犯人でした。」、「あの人が根本原因でした。」という姿勢は持ってはいけません。
あくまで、事前にこういう問題があったけど、プロジェクトとしての問題の提起を早期にしてくれた協力者だったという観点を残して接することで、その方のモチベーションを低下させないよう対応する必要もあると考えます。


こう考えたのは、今回のプロジェクトでは何回も同じミスがあるのにも関わらず、一向に解決しない状況が発生したために、こういう考えに至りました。
また、営業やPM、PLが実は理解、知識、技術不足で意味不明な要件を確定してくる場合もあります。その場合も、正しくミスであることを教え、なぜそれがダメなのかをわからせない限り、また同じ判断ミスを上がしてくることがあります。

プロジェクトメンバーのミスは案外小さい問題が多いですが、上層部のミスはプロジェクト全体に影響することが多いです。むしろこちらのほうが、根が深いことが多いのが悩ましいところでしょう。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/62052574
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック