2011年04月24日

Win-Winの関係

私の会社でも要件定義から保守運用まで行っています。
でも、今関わっている案件を踏まえて、確かに我社は利益を出せている案件もあります、一般的に言われるWin-Winの関係を顧客と築くこともできているかもしれません。
ただ、少なくとも私が今まで関わった案件は本当の意味でWin-Winだったのかなと感じます。

システムを作る人間は、次の段階を踏んで成長しているように思います。
第1段階 : とりあえず動くものを作る
第2段階 : システムはどうやったら動くかを考える
第3段階 : システムとはどうあるべきかを考える
第4段階 : 顧客にとってシステム開発はどうあるべきか考える
第5段階 : 方式論、方法論までシステム開発を昇華する

自分もずっとこんな考え方で、システムを技術的にどうすればよいかとか、システムはこうだと使いやすいとか、それを先に考えたりしていました。

我々SIerが言うWin-Winってきっと、本当は納品時点でのことかなと思います。もしくは、SIerにとってもっとおいしいWin-Winの形態って、運用保守までをそのSIerが担当することなんだと思います。
それは当然ビジネスなので当たり前なのかと思います。要はビジネスはどうやってお金を稼いでいくかにつながっています。Win-Winでありながらも自社にお金が継続的に入るビジネスモデルはありがたく、かつ利益の計算もしやすいものですし、顧客もアウトソーシングとまでは行かなくても、保険と同じようなものです。

これは決してWin-Winではなかった案件だと思いますが、私はたった一度だけ、要件定義から保守フェーズまで一貫して案件に関係したことがあります。
B2Cの案件で、開発はそこまで運用までは考えていませんでしたが、システムを作る人間以外が新しく何か画面を作るとき、本当に何も考えなくても作れるようにしてしまいました。
画面上のあらゆるものが部品化され、その部品すらも複数が部品化され、さらにそれが画面レベルまできたとしても画面までも部品化されていました。似たような画面を作るとき、その画面を継承して、ちょっと文言の定義を変更して、入力欄が違っても、画面でちょっと部品を追加すると、バリデーションチェックまでできます。
業務ロジックもパラメータが可変で、入力数は可変でもしっかり関連チェックされ、DBのモデルも可変であることを考慮していました。性能面もセキュリティも考慮したりもしていますが、新規で作る人は考えなくてもよっぽど変なことを無理やりしない限りは問題が発生しないようになっていました。
当然、システム開発においてここまで作り込めたらなかなかな気がします。

そして、最終的にはかなりの利益になった案件です。かなりの成功になりました。しかも、カットオーバーも問題なく、運用もほぼ問題なく進みました。そして客観的に見て使いやすさや品質もよく、顧客は満足しておりました。おそらくここまではSIerで言うところのWin-Winだったのかもしれません。

その後、どうやって作ったのか顧客から教えてほしいという話題になりました。
うちの営業は「抗議してもいいですよ」と言ってましたので、事前に上司に講義内容を決め、資料もOKをもらったあと、私が顧客の技術部門に数回講義しました。
日本人ではありませんでしたが、たった数回の講義、1回1時間の講義で彼らはプログラムもできたので、新規に画面が顧客からの要望案件がありましたが、彼らが1日で作ってしまいました。テストも1日ちょっとでした。要は、私たちが作ると営業から「10日はかかりますね〜」と持ちかけたけれど、実際は2日で作れてしまいました。

その後、その案件に関しては彼らは「自分たちで運用でき、新規の開発もできますので、御社からのサポートは不要ですよ」、と通知が来ました。もし新規案件が他にあればということで、並行で動いていた新規案件がありましたが、以降は大きな案件は発生しませんでした。

でも、もし難しくつくっていれば、彼らは自分たちで運用保守できなかったかもしれません。そうすれば、私たちに依頼が来たかもしれません。そうしたら、彼らは自社で作るよりもお金がかかったかもしれません。
では、彼らは自社で作るよりも他社に依頼したほうが安かったのか、私たちは簡単に作れるようにすべきだったのか、難しく作るべきだったのか。それとも顧客にはどんなことがあっても講義しないほうがよかったのか、それとも講義すべきだったのか、それとも中途半端な内容がよかったのか。


いったい、どれがWin-Winの関係になったのでしょうか。。。

私はWin-Winなんか考えるんじゃなく、顧客が真に使うシステム、いやいやではなく使い続けてもらえるシステムを作りたいです。
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/44525088
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック